あん

千太郎は、どら焼き屋の雇われ店長として日々を過ごしていた。そんなある日、店で働くことを厚く希望する老女、徳江が彼の元を訪れる。彼女が作る粒あんの美味しさに、千太郎や客たちは魅了され店はたちまち繁盛するように。しかし、徳江がかつてハンセン病を患っていたという噂が流れたことで客足が遠のいてしまい、千太郎は徳江を辞めさせなければならなくなる。徳江が店を去った後、彼女のことが気にかかる千太郎は、徳江と心を通わせていた近所の女子中学生ワカナとともに、徳江の足跡をたどる・・・