上映期間: 10月中旬まで(予定)
上映時間: 1時間46分
いつもどおりで?
いつもどおりで
台中の下町で40年にわたり理髪店を営む店主のアールイ(ルー・シャオフェン)。
今日も、いつものように店に立ち、常連客を相手にハサミの音を響かせている。
息子の卒業式に出席するために整髪にやって来る紳士、夢枕に立った亡き妻に「髪は黒いほうが良い」と言われ、初めて白髪染めにやって来る老人、親に内緒で流行りのヘアスタイルにして欲しいと懇願する中学生・・・
時が止まったように見える店も、泣いたり笑ったり忙しい。
3人の子どもたちは、すでにそれぞれの道を歩んでいるが、アールイの心配は尽きない。
台北でスタイリストをする長女シン(アニー・チェン)、街のヘアサロンで美容師をする次女リン(ファン・ジーヨウ)、一攫千金を夢見て定職に就かぬままの長男ナン(シー・ミンシュアイ)。
皆、実家の店にはなかなか顔を見せず、頼りになるのは、近くで自動車修理店を営む次女の別れた夫チュアン(フー・モンボー)だけ。
そんなある日、アールイは店に「本日公休」の札を掲げ、愛用の理容道具を携えて、古びた愛車で出発する。
偶然実家を訪れたシンは、母が店を休んでいる理由をナンやリンに聞くが、誰も知らない。
スマホは食卓に置きっぱなしで連絡も取れず、3人は母を案じていた。
その頃アールイは、遠くの町に住む常連客が病床にあると聞き、出張散髪に向かっている途中で・・・。
台湾の俊英フー・ティエンユー監督が、自身の母親をモデルに書き上げたシナリオを元に、台中にある実家の理髪店で撮影を敢行、3年の月日をかけて完成させた本作。
全編を通じて柔らかなノスタルジーを感じさせながらも、家族間に波立つ感情や、“老い”を受け入ていく心情、新たな希望を見出す道程を、リアルで現代的な視点を交えながら繊細に描き出す。
プロデュースは、エドワード・ヤン監督『ヤンヤン 夏の想い出』(00)への主演や、ホウ・シャオシェン監督『悲情城市』(89)、『恋恋風塵』(87)の共同脚本で知られる台湾ニューシネマの重鎮ウー・ニェンチェンが担当。
主人公のアールイ役には、1999年以来、映画の出演から遠ざかっていた『客途秋恨』(アン・ホイ監督/90)の名優ルー・シャオフェンが24年ぶりに銀幕に主演復帰。
「こんな脚本をずっと待っていた」と出演を即決したシャオフェンは、約4か月間ヘアカットの猛特訓を積んで撮影に臨みました。本物の理髪師さながらのハサミ捌きと、ブランクを感じさせない演技で、台北電影奨主演女優賞、大阪アジアン映画祭 薬師真珠賞(俳優賞)を受賞。
また、アールイに反発的な次女リンを演じたファン・ジーヨウが台湾金馬奨 助演女優賞を、次女の元夫で心優しいチュアンを演じたフー・モンボー(『返校 言葉が消えた日』(19))が台北電影奨 助演男優賞を受賞。
『藍色夏恋』(02)のチェン・ボーリン、『僕と幽霊が家族になった件』(22)のリン・ボーホンが、特別出演しているのも見逃せません!!
変わらないハサミの音、シャボンの香り、
ここは、アールイさんのちいさな理髪店。
武蔵野館のスクリーンから、アールイさんのお店へとご案内いたします。
- 映画名
本日公休
- 上映期間
10月中旬まで(予定)
- 上映時間
1時間46分
- 配給
ザジフィルムズ、オリオフィルムズ
- 製作年/製作国
2023年/台湾
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