北海道の高校を卒業した深瀬昌久は、父の写真館を継ぐことを拒んで上京する。
彷徨う日々の中で彼は、美しく力に満ちていた洋子に出会う。
洋子が深瀬の写真の主題となり、二人はパーソナルでありながらも革新的な作品を次々と作り出していった－。

家庭らしい家庭を知らずに育った深瀬は、家族愛に憧れを抱いていた。
深瀬は洋子の夢を支援するため、懸命に働いていたが、ついに洋子の信頼を裏切り彼女の夢もうちくじいてしまう。

深瀬「写真家にまともな生活はない。俺はカメラを武器のように使った。俺が愛する全てのものと全ての人を俺の仕事に 引きずり込んだ」
洋子「そんなものの後ろに隠れてないで…。私を見てよ…カメラ じゃなくて人の眼で見て。」

天賦の才の一方で、心を閉ざし、闇を抱えていた深瀬。
それは異形の”鴉の化身”として転生し、哲学的な知性で芸術家への道を容赦なく説き、翻弄する。

深瀬の最愛の妻であり最強の被写体であった洋子の存在を犠牲にしてもー。

天才写真家の光と闇をワイルド＆繊細に
浅野忠信の魅力炸裂！

ハリウッド製作ドラマ「SHOGUN 将軍」で、ゴールデングローブ賞助演男優賞（テレビドラマ部門）を受賞したことみ記憶に新しい、世界が注目する国際派俳優・浅野忠信が伝説の写真家深瀬昌久を演じる。

深瀬の＜最愛の妻であり最強の被写体＞洋子役に、『火口のふたり』『由宇子の天秤』『敵』、大河ドラマ「光る君へ」などに出演し深い印象を残してきた瀧内公美が演じ、ミューズという古典的役割を軽々と飛び越え、美しく自由な圧倒的存在感で演じた。
さらに、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀ら日本を代表する実力派俳優が脇を固める。

マーク・ギル監督による、極上のダークでシュールなラブストーリー

監督、脚本はイギリス・マンチェスター出身、元ミュージシャンのマーク・ギル（『イングランド・イズ・マイン　モリッシー、はじまりの物語』）。
シティポップ、グループサウンズ（GS）、歌謡曲、フォーク・・・ギル監督の６０ー７０年代の昭和レトロな選曲にも注目。
ザ・キュアー、ヴェルヴェットアンダーグラウンドの名曲が、深瀬と妻洋子の破天荒なラブストーリー見事にシンクロし、撮影フェルナンド・ルイスの映像美学と響きあう。
本作では深瀬の３５㎜フィルム作品が多数登場し、見る者の心を揺さぶり、鷲掴みにするだろう。

それぞれの芸術と愛を追い求める深瀬と洋子の５０年にわたる複雑かつ普遍的なダークファンタジー・ラブストーリー、いよいよ武蔵野館で公開！