上映期間: 5月1日(木)まで
上映時間: 2時間13分
最期に選ぶのは命か、誇りか-
⽂政⼗⼆年、江⼾。
武家の妻・良乃(⽵島由夏)は、蟄居(謹慎)を命じられた直参旗本である夫・古⽥久蔵(出合正幸)と、幼い息⼦・駒之助(川口和空)とともに静かに暮らしていた。
ある⽇、旧友・江藤伝兵衛が残した⼀⾸の歌が、彼⼥の平穏を切り裂く。
「夏の世の 夢路儚き もののふの 晴れて⾏⽅の ⻄の雲の端」
それは、久蔵の沙汰が切腹であるという知らせだった。
残された時間で、妻として何ができるのか。
久蔵の誇りを守り、息⼦の未来をつなぐため、良乃は静かに覚悟を決める。
命運の夜、彼⼥が選んだ道とは-。
主⼈公を演じるのは、柿崎ゆうじ監督作品で存在感のある演技を魅せてきた⽵島由夏。
出合正幸が演じる蟄居(謹慎)を命じられた武⼠の夫・久蔵を⽀える妻・良乃を⼒強く演じ、武⼠の妻を貫く⼥性の⽣き様をスクリーンに刻み込んでいる。
共演には前川泰之、藤澤恵⿇、⻩川⽥雅哉、酒井敏也、⽻場裕⼀、そして村上弘明といった実⼒派俳優陣が名を連ね、武家社会を逞しく⽣きる妻と武⼠の潔さの物語に重厚感を与えている。
武⼠に逃れられぬ定めがあるなら、妻には守るべきものがある。
武⼠社会において、主君への忠誠は命に勝るものとされ、⾝分や性別による階層は揺るぎないものであった。
しかし、そこには現代の価値観では測れぬ、夫婦の深い絆と家族への献⾝があった。
夫婦の間に育まれる信頼、⺟が⼦に託す想い、そして主⼈と奉公⼈の間に結ばれる固い信義。それらは、⼰を律し、礼節を重んじる⽣
き⽅とともに、この時代に根付いた貴重な精神であった。
かつての価値観が薄れゆく現代に、その誇りと覚悟に思いを馳せる本格時代劇が誕⽣!
新宿武蔵野館のスクリーンで、ぜひご堪能下さいませ。