上映期間: 8月下旬まで(予定)
上映時間: 1時間47分
事件の鍵は、患者の〝私的な領域“にある。
パリで活躍するアメリカ人精神分析医・リリアンは、長年診てきた患者ポーラの突然の死を知らされる。診察の中でその兆候は見られず、ポーラの死は殺人ではないかと疑い始める。
一方、突然涙が溢れ出る異変に悩まされるようになったリリアンは、やむをえず眼科医の元夫ガブリエルを訪ねる。元夫を巻き込みながら探偵まがいの捜査に乗り出したリリアンは、やがて危うい真相へと踏み込んでいく――。
“精神分析”という名のミステリー。
『告発の行方』(88)、『羊たちの沈黙』(91)で2度アカデミー賞主演女優賞に輝いたジョディ・フォスターの最新作は、ジョディ念願のフランス映画初主演作!
全編流暢なフランス語で演じて新境地を魅せるジョディを囲んで、名優ダニエル・オートゥイユ、才人マチュー・アマルリックほか、フランスを代表する実力派俳優たちが集結!監督は、レア・セドゥ主演の『美しき棘』(10)、ナタリー・ポートマン主演の『プラネタリウム』などでフランス映画界のソフィア・コッポラとも称されるレベッカ・ズロトヴスキ。知的かつユーモアの効いた大人のスリリングな物語を編み上げた。
患者の心の奥底に踏み込んできた精神分析医が対峙する、自身の未知なる領域(プライベート)とは――。
先の読めない極上の心理サスペンスが誕生した。
人にはインティマシーと呼ばれるプライベートな領域があり、個人が知る自分と他人から見た印象にはギャップがあるものです。もちろんインティマシーの対極である仕事や社会でみせる顔にも実は人間の多くの矛盾が絡み合って存在しています。
昔からの知人であるアンヌ・ベレストが、一本の脚本を持ちこんでくれました。タイトルは『リリアン・シュタイナー』。主人公は同名の精神分析医で、物語は自殺したひとりの女性患者をめぐって展開します。
早い段階で、この精神分析医の人物像がはっきりと見えてきました。彼女は担当患者の死に強い責任を感じ、かつての夫を巻き込んで、もしかすると殺人だったのではないかと、真相を探り始めるのです。
主人公リリアンを体現できるのは誰か、私の中で自然に思い浮かんだのが、ジョディ・フォスターでした。待ち焦がれていた出会いです。というのも、私の初の長編監督作『美しき棘』(2010)の制作時に、レア・セドゥの母親役を彼女にオファーしたいと思いましたが、その出会いは実現しませんでした。
今回は、彼女の完璧なフランス語とアメリカ人としてのバックグラウンドが、この映画の中で交わされる言葉のニュアンスに豊かな奥行きをもたらしてくれると感じました。
しかも、ジョディは顔の表情だけで、思考の動き、真実に気づく過程を的確に表現できる俳優です。彼女ほどのハイレベルを私は他に知りません。カメラは、彼女の知性が高速で、めまぐるしく思考するさまを、そのまま捉えています。
そして忘れてはならない重要な存在がダニエル・オートゥイユです。本来、出会うはずのない二大陸を代表する二人が、スクリーン上で出会うという、映画ならではのカップルをジョディとともに出現させました。
この二人が演じる姿に私は一瞬にして胸を打たれました。常に穏やかさに満ち、知性に裏打ちされた演技、そして二人の間に感じられる明らかな信頼関係、その様子はまるでそれぞれの輝かしいフィルモグラフィーが、対話を交わしているかのようでした。それはまさに映画の醍醐味なのです。
- 映画名
プライベート・ケース
- 上映期間
8月下旬まで(予定)
- 上映時間
1時間47分
- 配給
スターキャットアルバトロス・フィルム